統合失調症を患っていても、
運転免許取得できるのか?

2016年3月現在では、統合失調症を患っていても運転免許の取得・更新は可能です。
2001年のWHO(世界保健機関)の報告では、新薬の開発と、心理社会的ケアの進歩により、半数近くの統合失調症の患者さんに、
長期的な回復が期待できる
とされていますが、統合失調症の症状には個人差が大きいため、統合失調症を患う全ての患者さんが
取得・更新できるわけではなく、法令により定められた基準を満たしている方のみが運転免許の取得・更新が可能です。

統合失調症には、大きく3つの症状が挙げられます。
それぞれの症状が、運転にどのような影響を与えるか説明していきます。

1.幻覚と妄想

統合失調症の代表的な症状が「幻覚」と「妄想」です。
統合失調症でもっとも多い「幻覚」は、聴覚に働きかける物です。
実際に音として感じる声や、耳ではなく頭の中で聞こえる声があります。
周りに誰もいないのに、どこからか声が聞こえてくるのです。

運転中に、周りには聞こえない声が、自分には聞こえ、運転操作を誤ってしまう。
本来気付くべき音が聞こえず、事故を起こしてしまう事があるといえます。

妄想は、実際には無い事象に対して、誤った判断や確信をしてしまう事を指し、代表的な言葉で「被害妄想」が挙げられます。

運転中に、
「隣の車がぶつけてくるかもしれない」「いや、きっとぶつけてくる」
「先にある赤信号が、自分が通る時には青信号になっている」

という妄想が、事故を引き起こしてしまします。

2.生活の障害

この障害は、日常の生活で正しい会話をすることや、適切な行動をすることが難しいというものです。
正しい会話・行動ができない事で、周りの人に「常識が無い」「思いやりがない」などという印象を与え、
「何か予期せぬことをするかもしれない」と思わせてしまいます。

適切な行動をすることが難しいため、運転操作も円滑に行えないことがあり、周りのドライバーの運転に影響を与えます。
クラクションを鳴らされることで、周りが想像しない行動をしてしまう可能性があるという懸念があります。

3.感情・意欲の障害

感情の障害は、感情の起伏が少ないため、感情を表現することが難しい障害です。
人の話を聞いても、良い景色を観ても、感情が揺れ動くことが少ない。
感じる事があっても、それを表現できない・しない。
そのため、相手に違和感を与えてしまいます。

意欲の障害は、
自分から何かをしようとする意欲が少なく、「お風呂に入るのも面倒だ」
周りの人と交流をすることも、「会話するのが面倒だ」
と、行動する意欲が少ない障害です。

周りのドライバーに迷惑をかけたとしても、それを気にしませんし、自分から問題解決しようとする意欲が沸きにくいのです。

「統合失調症」の方が、運転に与える影響を説明しました。
先にお伝えしたように、個人差が大きい病気のため、全ての患者さんが同じ症状ということではありません。

統合失調症の3つの症状を理由に、病気に対して自覚することが容易では無いため、医師の診断が重要になります。

免許の取得・更新に関しても、免許証の取得・更新時に、「5つの質問」の提出(平成26年6月1日から施行)、
医師の診断結果、これらを基準に公安委員会が取得・更新の合否を判断します。

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